3rd EP (CD-R) BSK-0004
Released 2008.7.6
1. テクノクターン
2. 80
3. クリームソーダ ※original by flamingo
本当に心の底から感動する音楽に触れたとき、そもそも分析は後から息せき切って追いかけてくるものである。無料サンプラー「Another sing-song...and more.」に、ほんの触りのみ収録されていた「テクノクターン」を、いまようやくフルサイズで聴き終えた僕は、もうただ単純に「すごい曲だ」と感じた。「echo_echo.」を超える名曲だと感じた。
アッパーでありながらも繊細さを失わないメロディーと、リスナーを吸引する大胆な展開力が文句なしに素晴らしい。くるりの名曲「WORLD'S END SUPERNOVA」に対するelectra_electro.からの回答のようにも思える。yu-ki.とmuu.のコーラスが幾層にも重なりながら徐々に熱を帯びていき、やがて左チャンネルからギターフレーズが流れ込んでくる。その瞬間を掴まえたボーカルは、ギターと絡み合いながらクルクル踊り出し、楽曲の高揚感は最高潮に達する。muu.の透明なビブラートが印象的なDメロ、そしてエンディングの「~please Mr. ... Mr.Moonlight.」という一節が残す余韻はどうしようもなく聴き手を感傷的にさせてやまない。それは「~but I hope so.」(echo_echo.)、「~それは昨日」(another sing-song.)という名曲たちのラストセンテンスが含んでいた"消え入る"感覚と共通する。最後の一語がアウトロに溶け込んでいく瞬間の切なさ・儚さは、electra_electro.の世界とそのリスナーとの間に存在する「不可知な言語」と言ってもいい。
今回のCDに歌詞カードは付属していないが、後に配信サイトnextmusicにて公開された。叙情的でイマジネーションあふれる言葉の羅列の中で、僕は「テクノクターン」が「tick,knock,turn」であることを知り、激しく心を揺り動かされた。tickとはドキドキ鼓動している心臓の音を意味する単語である。生々しいときめき、忘れられない記憶。眠れない夜の悪夢を振り切るために僕たちに残された方法は、踊ること、ターンしつづけることだけだ。「テクノクターン」とは夜と朝の隙間にそっとつぶやく魔法の言葉なのである。
M2はyu-ki.ボーカルの「80」。ギターの多彩な音色が際立つ佳曲。M3「クリームソーダ」は、盟友flamingoのカバー。